日本では神社やお寺に初詣やお参りに行った際に、おみくじを引くのは自然なことですね。年代、性別関係なく、かなりポピュラーなイベントだと思います。ただ、吉凶のことばかりを気にして、内容をしっかりと読まないという方もいるのではないでしょうか。
大吉や末吉などの吉凶以外に、和歌や漢文、細かい運勢が添えられているものが多いですが、中には昔の言葉で書かれていて、意味がよく分からないものもあります。しかし実は、その内容こそが重要だということをご存知でしょうか?
吉凶よりも和歌の内容が重要!
おみくじは、吉凶の良し悪しで判断してしまいそうですが、それよりも重要なのは、中に書かれている和歌や漢詩の内容やその文面です。これこそが神様から送られたありがたい御言葉なのです。
一般的に、神社で出されているのが和歌で、寺院では漢詩が書かれているものが多いようです。一応、小学校、中学校、高校の国語や古典の授業で、漢詩や和歌といったものの読み方を習うものですが、なかなかすぐに意味を把握出来る方は少ないでしょう。
おみくじによっては現代風にアレンジしてくれているものも増えていますが、伝統を重んじて昔の言葉そのものがありがたいということで、そのまま掲載しているものもあり、辞書などを使わない限り解読することが難しいでしょう。
なので、サラリと読んで、意味を理解する前に、くくりつけられてしまうわけです。内容が分からなければ持ち帰り、辞書やインターネットで調べてみましょう。明るい未来を切り開くためのヒントが隠されているかもしれません。
-
おみくじは結ぶ?持って帰る?おみくじの正しい結び方と保管方法
神社や寺院へお参りにいった際に引くおみくじですが、引いたはいいけれど、そのあと結ぶのか、それとも持って帰るのかを把握している人は意外に少ないものです。 一説では、大吉など良い運勢のものは持って帰って良 …
おみくじの運勢の項目とそれぞれの意味
おみくじには、他にも運勢の項目とその良し悪しが書かれていると思います。ここではそれらの意味を紹介していきましょう。
願望
願望(ねがいごと)は、あなたの願っていることです。叶うかどうか書かれています。おみくじを引くときに、願望を思い浮かべながら引くとその答えをもらいやすいといわれています。
悦び事
悦び事(よろこびごと)は、あなたが嬉しいと思えることです。願望とは違ってどちらかというと、予期せぬ良い出来事というニュアンスですね。
待ち人、待人
待ち人、待人(まちびと、ひとをまつ)とは、あなたが待ち望んでいる人のことですね。必ずしも片思いの相手や未来の恋人というわけではなく、あなたの人生において鍵となる人物や運命の人という意味です。
求人、雇人、人雇、抱人
求人(きゅうじん)、雇人、人雇、抱人(かかえびと、ひとをかかえる)は、自分で会社を経営している、またはお店や商売をしている場合の社員や従業員に関することです。また、新しく人を雇うときに、助けになるような人物が来てくれるかどうかが書かれています。
仕事、商売、事業、商法、求職
仕事、商売(しょうばい、あきない)、事業、商法、求職は、今やっている事業や仕事、探している仕事に関することです。
走り人
走り人(はしりびと)は、あなたの元を去った人のことです。
愛情、恋愛、交際、縁結、交友、婚姻
愛情、恋愛、交際、縁結(えんむすび)、交友、婚姻(こんいん)は、現在交際中の恋人や未来のパートナーなど、恋愛関係や結婚に関することです。
縁談
縁談(えんだん)は、お見合いのことと思われがちですが、そればかりではなく知人などの紹介も含まれます。
家庭
家庭は、夫や妻、子供はもちろんのことですが、姑や嫁、婿との関係もありますね。まだ結婚していない人は、親兄弟とのことです。
同居
同居(どうきょ)は、必ずしも親や子、姑や嫁ということではなく、友達同士や恋人同士で一緒に住む場合も含まれます。
出産、産児、お産、出生
お産のときに無事に生まれてくるのかどうかについて述べています。
転居、家移、引越し、住居、建物、建築、家造り、造作、普請
引越し、転居(てんきょ、やうつり)、家移、住居、建物、建築、家造りは、引っ越しをした場合や新しく新居を構えるとき、またリフォームや増改築など住まいに関しての変化に関することです。聞きなれない言葉ですが、造作(ぞうさく)、普請(ふしん)も建築や家の修繕という意味です。
旅行、旅立
旅行、旅立(りょこう、たびだち)は、遠出の旅行に限らず、近場へお出かけのときも含まれます。
方角、方向、吉方
方角、方向、吉方は、良いことまたは、良くないことが起こる方角がどこなのかということですね。いつも住んでいる場所からみた方角になります。例えば、恋愛おみくじに北東と書いていたとすると、普段住んでいるところから、北東の位置に動くと恋愛に関して良いことが起こるかも?ということになります。
健康、病気、病い、療養、体調、疾病、病ひ
健康、病気、病い、療養、体調、疾病、病ひは、あなたの体の健康や病気に関してのことを占っています。
学業、技芸、学問、試験、受験、入学、進学
受験や学業に関してのことです。この場合の技芸(ぎげい)というのは、今風にいえば資格取得ともいえるでしょうか。趣味よりはもう一歩進んだ特技という感じがします。
売買、相場、交渉、取引、賃借
この項目はお金や資産に関するものですね。相場取引や交渉事から、個人レベルの貸し借りなど、細かく記載されています。
失物、失せ物、探物、探し物
失物、失せ物(うせもの)、探物、探し物(さがしもの)は、失くしたものや探しているものがどうなるのかについて書かれています。見つかると書かれていたら一安心だし、見つからないと書かれていても諦めがつくし、どちらも執着していたものから解放されるという点では、ある意味良いのかもしれません。
争事、訴訟、勝負、諍ひ
争事(あらそい)、訴訟、勝負は、裁判などの争いごとやスポーツなどの勝負事についての運勢を占っている項目です。
老後
老後(ゆきさき)は、老後についてどのような運命が待っているか、どのような心構えでいればよいのかが記されています。
開運色、幸運のカギ、金運
幸福が訪れやすい色やもの、事柄についての項目です。おみくじの項目の中ではポップな感じですね。
おみくじの内容についてのまとめ
このように、おみくじでは吉凶がどれなのかといったことよりも、漢詩や短歌の内容こそが神仏からのありがたいメッセージなのです。また、それをふまえて具体的な運勢も書かれています。現代の生き方の参考になるようなものですから、難しい言葉は調べるなどして、意味を把握すると良いでしょう。
基本的におみくじの個別項目は、すべてを自分に当てはめるのではなく、知りたいところだけをチェックすれば良いと思います。また、例え好ましくない内容であっても、落ち込んだりやる気をなくしたりするのではなく、些細なことでも努力を続けることで、上向きに変わっていくこともあるでしょう。